榊一郎・著、カントク・イラスト、GA文庫。
5月22日(火)読了。

高名な神曲楽士を叔父に持つミタオカ・ラグナス。
トルバス神曲学院へと編入してきた彼は、確かに楽器の腕前はかなりのものだがどこか情熱に欠けていた。
それは、幼い頃から叔父を通してしか見て貰えないことが原因だった。
そんな彼が出会った一人の少女。
トルバス神曲学院の同級生となったコガムラ・ウリル。
彼女は、精霊が大好きで、当然トルバス神曲学院に通うからには神曲楽士を目指している。
だけど。
ラグナスは衝撃的な事実に戸惑う。
そう、ウリルは聴力を持たずに生まれてきたというのだ。
そんな、『音』を感じたことのない神曲楽士志望の少女との出会いが、ラグナスを少しずつ変えていくことになる……

無色のポリフォニカは、無音のポリフォニカでもあり。
なるほどねぇ。学園モノとしての側面を出しつつ、新たな神曲楽士の形を提示する物語ですな。
タイトルのエイフォニック~ aphonic の通り、音を知らずに神曲を奏でることは出来るのか? というテーマの元、直向きな少女と無気力な少年のボーイ・ミーツ・ガールの物語が展開していきました。うん、なんか、こういうのは王道でいいですな。
また、脇を固めるキャラも素晴らしい。肉食兎を連想させるササオ・メイゼルは最初から最後までいい眼鏡っ娘でありました。というか、その特徴からボーパルバニーを思い出したんですが、それはそれで似合う気もします。
単巻かと思いきや、改めて展開しているのでまた続きも楽しみにしたいと思います。

てなところで次は願い叶って東雲朱里委員長が表紙の『優等生以上、フリョー未満な俺ら。3』です。

神曲奏界ポリフォニカ エイフォニック・ソングバード (GA文庫)

榊 一郎
出版社:SBクリエイティブ
発売日: 2012-05-12