辿り着いた真実が、将悟と母の鹿野子との関係を決定的に悪化させていた。
遂に、将悟を無理矢理海外留学させるという手段に出る母。
己の想いを貫くため、徹底的に母に抗する覚悟を決める将悟。
無理に無理を重ねて事態を変えようとするが、所詮は子供。
親の圧力にはかなわず、その運命は変えることはできないのか……

『妹が誰か?』というテーマを元に始まり、ここまで続いてきたシリーズもこれにて完結。かなりアクロバティックなオチではありますが、中々面白い落としどころですな。まぁ、終盤は本当ミステリだったら殺人の動機になって海に面した崖の上で告白しそうな要素が目白押しでしたから、エンタメとしてはこういうラストにならざるを得ない面もあるのでしょうが(;^^)
そして、最後らしくヒロイン総出ではありますが序盤は愛菜のターンでしたな。彼女のようなタイプのキャラはいいですねぇ。取りこぼしをきちんとフォローしていたのはいいですな。
そうして、これまで積み上げてきた人との繋がりが組み合わさって辿り着いた先は個人的にはいい読後感のラストでありました。

全体として、謎を追うミステリというかサスペンスというか、そんなテイストが好みでもあったので、これで終わりは寂しいものがありますが、まぁ、まだ一冊は番外編がでるようなのでそちらを楽しみにしたいと思います。

てなところで次は『彼女の恋が放してくれない!3~手錠が外れてもずっと一緒です』です。

この中に1人、妹がいる! 9 (MF文庫J)

田口 一
出版社:メディアファクトリー
発売日: 2012-12-21