海空りく・著、をん・イラスト、GA文庫。
7月26日(金)読了。
己の魂を武装として魔法の力を発揮する『伐刀者《ブレイザー》』。
その伐刀者を育てる学校にいた異端児、黒鉄一輝。
彼は、魔法はからっきしで、留年の憂き目にあっていた。
だが、腐らず、己を磨き続けていた。
そんな彼に、チャンスが訪れる。
学園の理事長が替わり、制度が変わったのだ。
今度こそ、上を目指せる。
そこに現れた留学生、ステラ・ヴァーミリオン。
異国の皇女であり底知れぬ魔力を持つ彼女と、行きがかり上勝負をすることに。
彼はそこで、魔法に変わる力を発揮して……
強さに対する価値観の違いを上手く利用した痛快活劇。娯楽作品としての王道でありますねぇ。素直に楽しめました。ページをめくる度に、ハラハラドキドキ。最後の最後まで油断できず、ラストのページまで辿り着いて、心から安堵しました。かがみんこと日下部加々美が眼鏡を外してしまうような展開でなく、本当、よかった。いつ、そういうことになるかと、気が気ではなかったのですよ。前科があるだけに。
でまぁ、根底にあるのは特定の力を持たない代わりに別の顧みられない力を極限まで磨いた主人公の成り上がりの物語。看板に偽りありませぬ。最強故に相手が諦めて上が目指せないヒロインとのバランスもよく、今後の展開が楽しみであります。あと、おまけページで活躍するかがみんの更なる飛躍も楽しみです。
ともあれ、新シリーズ好調な滑り出しのようでおめでとうございます。
てなところで次は『反抗期の妹を魔王の力で支配してみた。3』です。