平野啓一郎・著、文春文庫。
11月28日(木)読了。
離婚して田舎に帰ってきた文房具屋の娘、里枝。
店を訪れる一人の男と出会い、惹かれ合い、新たな家庭を築き、子もなした。
だが、夫が事故でなくなり、不可思議な事実が明らかになる。
夫が語った生い立ちは、まったく別人の生い立ちだったという。
里枝の相談にのった弁護士の城戸は、その男の謎を追ううちに、生き方に惹かれるものを感じはじめ……
どうして、他人の人生を自分の人生として語り、家庭まで持ったのか? といった謎を追いつつ今の人生を捨てて誰かの人生を生きる、ということがもたらすあれこれを考察するような感じの御華詩。
映画は気になりつつ観に行く余裕がなかったのですが、こういう物語だったのですな。
久々にこういう文学系の作品を読んだ気がします。時にはこういうのに触れるのもいい刺激になるものです。
てなところで次は『神探偵イエス・キリストの冒険』です。