穂史賀雅也・著、シコルスキー・イラスト、MF文庫J。
5月7日(月)読了。
正式に完結。なんというか、前巻で気になった部分をきっちり決着付けてくれたので非常に心地よいラストでした。やっぱり、不思議な雰囲気のある文章だなぁ、と思いつつ、それでいて大分洗練されてきた印象があります。また、物語としても、予想外なような予想通りのようなところに上手いこと着地させているので3巻で1つの物語として、分量的に対して多くないので続けて読むことをお勧めしますね。

で、内容。

前巻の最後に、合人にミリオン先輩が突きつけた恋愛という要素。それにどう答えるか? というのが今回の御華詩。
そして、今回はそのライバルにあたる幼なじみの風子がクローズアップされます。というか、前巻同様の人称切り替え方式ですが、今回はこれまで語られなかった分、彼女の一人称が多用されています。これで彼女の傍目には意味不明な行動の理由付けが成されてすっきり。ただまぁ、すっきりしたところで色んな意味でのどんでん返しがあって…… てな訳で、展開的にも面白い構図となっています。この着地のさせ方ってありそうであんまりないような。

実際のところ、本筋に必要な部分以外が相当に投げっぱなし感が漂った状態で終わった気がしないでもないですが、最終的に一人称で語る人物以外の事は別の物語になってしまうということでまぁ、納得いかないこともないです。一応、伏線もありましたしねぇ。

なんだかんだ言って、次回作が楽しみです。

とまぁ、そんなところで次は楽しみにしているシリーズの一つ『”文学少女”と穢名の天使』です。