日日日・著、大出長介・イラスト、徳間デュアル文庫。
5月2日(水)読了。
右腕が刃、左手が得体のしれない兵器の最強の処刑人でありながら、純粋な少女でもあるギロチンマシン中村奈々子。
かつての恐怖で髪を真白にするも、ロボットの<学園>支配に反旗を翻した英雄、両腕がロケットパンチで下品な言葉を連発する幼女”赤ずきん”中村奈々子。
そして、『中村奈々子』と同じ顔を持つ人間の兵士、山田太郎(偽名)。

そんな彼らが繰り広げる、妊娠騒動やら学級崩壊やらの御華詩。

とか書くと、ドタバタコメディーっぽい紹介になってしまいますが、数多の日日日作品の中では新風舎の一連の作品に一番乗りが近いと思います。前巻のときも書きましたが、やはり、文学的な作品に思えます。正直、絵は嫌いではないですが『全員が同じ顔を持つ』という設定が台無しなので挿絵はない方がよかったとか思い始めたりしますが、レーベル的にそれは不許可なのでしょうなぁ……

正直、さらっと読めば確かに前半ドタバタ後半シリアスして終わり。展開もやや強引な感じですがまぁ、単純な構図の物語と捉えられなくもないです。

が、その中で繰り広げられる人間とロボットの稜線の問題やら中村奈々子と関係の深いとあるキャラクターの心情やらを考えると非常に難解な部類に入る物語にも感じられます。

穿ちすぎだとは思いますが、人間とロボットの関係性、家族という絆のありかというか、そういったものを考えさせられる作品でした。やっぱり日日日の作品の根底からは共通して『絆』というキーワードを連想するのは関係妄想なのでしょうか?

とまぁ、ある意味書評っぽいようなことを所感として、あとはネタばれるのでこの辺りで。

次は『暗闇にヤギを探して3』です。