高橋弥七郎・著、いとうのいぢ・イラスト、電撃文庫。
8月31日(金)読了。
前回の引きが気になるところですがその辺は少し置いておいて今回は外伝。
20世紀初頭の南国の島を舞台に繰り広げられる、常でない在り方のフレイムヘイズ、紅世の王、徒、そして、人間の御華詩。
名前だけ登場してた人とか、相変わらずな人とか出てきてますが、テーマとしては「哀しむことも出来ないのはこれ以上ない哀しいことではないのか?」ということでしょうか? 今回の敵役となるサラカエルは『紅世の王』でありながら何かと不可思議な存在でしたが、彼の有り様は非常に興味深いですねぇ。確かに、このシリーズ全体を通してのテーマでもありますね。『存在』を喰われることで全てが無かったことになる喪失感。『この世の本当のこと』。考えさせられる内容です。
そして、今回は特に敵味方誰もが何かしらの歪みを抱えた存在であり、それらの内面描写がやはり巧みで引き込まれるものがありましたねぇ。サラカエルの思想もですが、師弟という関係のサーレとキアラの関係、外界宿に関わる人間の視点、様々なモノが絡み合って非常に深い味わいのある物語でした。
で、いよいよ本編も佳境ですねぇ。シャナと悠二、どうなるんでしょうねぇ。
とまぁ、そんなところで次は『 Fate/Zero Vol,3 -散りゆくもの- 』です。