葉村哲・著、七草・イラスト、 MF 文庫 J 。
6月9日(火)読了。

旅の果てに辿り着いた街で、咲希はもう一人の自分に出会う。
その瞬間、街はビルと城が、妖精と人が、新しいモノと古いモノが混在する異界と化した。
咲希はシロと共にもう一人の自分、サキを追う。
比較的スムーズにサキを見つけ出したはいいが、何故かシロを巡っておかしな状態となって……

咲希とシロの旅もこれでおしまい、だと思います。タイトルロールは何となく途中から予想がついてましたが、中々に印象的でしたねぇ。若干不可思議というか神話的な要素として理不尽な状況が生じたりもしますが、実験的というかレーベル内の新しいカラーを目指そうとしたような意欲的な作品だったようにも思えます。
全体として、塚木咲希という世界から外れた少女が寄り添える相手を見つけて何かしら変わっていく様というか根底にある普通の女の子の部分が見え隠れするとか、そう言った機微が面白い作品でもありました。
早速次回作が発売カレンダーにあるようなのでそちらも読んでいきたいと思います。

てなところで、次は『森口織人の陰陽道 巻ノに』です。

この広い世界にふたりぼっちIII (MF文庫J)

葉村哲
出版社:メディアファクトリー
発売日: 2009-03-25