森田季節・著、深崎暮人・イラスト、 MF 文庫 J 。
6月22日(月)読了。
一癖二癖などというのも生ぬるい生徒たちが集う私立御伽坂学園。
その中でも特に図抜けた上位十名は序列されて十哲と呼ばれ、そのトップ3は更に三奇人と呼ばれていた。
だが、十哲は一度なればそれで地位が維持されるモノではない。
時に、入れ替え戦と称して有能なモノとその地位を争うこととなる。
十哲 No.1 で三奇人の一人、一流の上を行く【零流小説家】天之下芝蘭《てんのしたしらん》は入れ替え戦を挑まれる。
それは【正確俳優】と呼ばれる新発田新《しばたあらた》から八歳で児童文学賞を受賞したベテラン家の芝蘭に対しては無謀とも思える短編小説の朗読対決だったのだが……
個性的な面々がその個性で日常を送れば端から見れば非日常化するとかそんな御華詩。
今回はキャラをピックアップしての短編集でしたがこの構成が上手いこと嵌っていたと思います。特に、芝蘭の防衛戦の御華詩が非常に良かったです。その中で、実際に作中作として登場する短編小説が本当にええ御華詩でした。【神をも召喚する男】渡会竜太朗《わたらいりゅうたろう》と【魔道サイエンティスト】物理火燐《ものろいかりん》の御華詩も先は読めますが綺麗にまとまっていましたし。
そして、前巻では主役だった(?)アキラも後半では大活躍。何か間違った方向で活躍した気もしますが、まぁ、派手なラブコメとしてよい塩梅ですな。
シリーズとして先がどうなるかは気になりますが『プリンセス・ビター・マイ・スイート』の流れの方も読みたいのでもどかしいところです。基本的に、この作者の次回作には期待ということで。
てなところで次は『ナインの契約書3 -Sympathy for the devil-』です。