志木謙介・著、トナミカンジ・イラスト、HJ文庫。
10月11日(土)読了。
第8回HJ文庫大賞金賞受賞作。

人は、神の怒りに触れた。
神は大地の多くを海に沈め、人の住む地を奪った。
だが、それでも人は抗った。
魔女の力を得、科学と魔力の結晶『逆神機《ヴェリアル》』を産み出す。
『神兵』に対抗するため、逆神機《ヴェリアル》の搭乗者《リベラ》を育成する学校。
その最下生、シュータ・ツクバは、退学の掛かった試合の直前、古びた逆神機の中で一人の不思議な少女と出会い……

魔女の力を借りて巨大ロボットで神に対抗する人々の物語。
地表のほぼ全てが海に沈んだということで、戦闘機ではなく戦艇に変形して闘うという部分が珍しい部分ですな。総じて、魔女の絡んだ逆神機周りと、対する神の設定は非常に興味深い。

キャラ的には、シンシア先生とリアッカ君がいい味出してましたな。

物語の展開的には王道。運命的に出会った少女が凄い力を持っていて、その力を引き出せるのは主人公だけ。だから、唯一無二のパートナーで二人ならなんでもできる! みたいな。ただ、そこへ持っていく主人公とフィリスを始めとした他のキャラとの絡みの描写が散漫でちょっと心の動きが唐突すぎるかなぁ、と要所要所でつんのめることしばしば。もうちょっとその辺のバランスが良ければ、もっとテンポ良く読めたなぁ、と少し残念ではあります。

ともあれ、一冊使ってようやく始まった感があるので今後の展開に期待です。

てなところで次は『アルティメット・アンチヒーロー~常勝無双の反逆者』です。

搭乗者<リベラ>科の最下生 (HJ文庫)

志木 謙介
出版社:ホビージャパン
発売日: 2014-09-29