武田綾乃・著、アサダニッキ・イラスト、宝島社文庫。
5月19日(火)読了。

美事全国大会へコマを進めた北宇治高校吹奏楽部。
四月には全然やる気のなかった部が、今ではすっかり生まれ変わっていた。
そんな中でも、特別な存在であった副部長のあすか。
久美子の隣で同じユーフォニアムを吹く、素敵な音色を奏でる先輩。
全国大会へ向けて一丸となる吹奏楽部に、彼女の存在が波瀾をもたらす……

全国大会へ向かう顛末は、やはりタイトルロールのユーフォニアム中心。そうなれば、特別な、得体の知れない存在だったあすか先輩にスポットが当たるのは至極当然でありましょう。
彼女が何を思ってユーフォニアムを吹いていたのか? 何を思って全国大会へ望むのか? 特別と思われた彼女の、年頃の少女としての想い。人間味。それに触れる久美子。全く予想通りで期待通りの展開ですが、それでも心に響く御華詩でした。ラストがベタながら美しいですね。でも、これやっちゃったらシリーズも完結か……と思ったら、ある意味ここから始まるのですね。次も楽しみです。

てなところで次は『Occultic;Nine 2』です。