乾くるみ・著、文春文庫。
7月19日(土)読了。
冴えない大学生、鈴木の人生は一本の電話で変わった。
人数合わせの合コンで、彼は成岡繭子と出会った。
一目で引かれる鈴木とまんざらでもなさそうな繭子。
次第に二人は引かれ合い、付き合い始めるのだが……
1980年代を舞台に繰り広げられる恋愛模様。だが、その内実は珠玉の本格ミステリ。映画が久々にミステリに気持ちによく騙された感を味わえたので、原作も読まねばと映画の帰りに買って読んだのだったりします。
で、読んでみて、先に映画でネタバレてたのが本当に悔やまれます。とはいえ、だからこそ仕掛けを読み解きながら存分に楽しむことができました。そういう意味では、映画→小説の順はありかもしれません。
まぁ、内容についてはネタバレずに語るのが非常に難しいので触れませんが、この作品を映像化して仕掛けを発動させたことには舌を巻く以外ないです。あれは、旨い。『 Another 』のアニメ化でも思いましたが、ミステリの仕掛けを映像化する工夫はまだまだあるものですねぇ。これなら、いずれ『十角館の殺人』も映像化可能となるときが来るかもしれません。
てなところで次はまた映画原作で『ハンガー・ゲーム(上)』です。