七位連一・著、光崎瑠衣・イラスト、 MF 文庫 J 。
2月24日(日)未明読了。
自身の愚かさから大切なモノを失ってしまったネイブ。
自らの存在意義を求めて向かった国境付近の街。
戦場となる街での出会いに、彼は何を思うのか……
前の話で相当に悲惨な目に遭ったネイブがそのあり方を見つける成長譚、と言える御華詩でした。ただ、前の話ほどではないですがやっぱりどこかやるせないモノのある作品なので純粋なエンターテイメントとしてみると少し敷居は高めかもしれません。
ですが、ネイブという英雄に憧れるも口ばかりで何も行動を起こさず甘えてばかりの少年が直面した厳しいどころではない現実から、何を学んでいくのか? そういう部分に目を宛てると中々興味深いシリーズでもあります。ここまで生々しく駄目な少年を描けるのは確かに一つの優れた能力です。大分気力を使いますが。そういう部分だけ抽出すればジャンル的には異世界ファンタジーながら純文学よりなのかも知れませんね。
とまぁ、そんなところで次は久々の山本弘で『シュレーディンガーのチョコパフェ』です。