望公太・著、029・イラスト、GA文庫。
8月23日(木)読了。
安藤寿来《じゅらい》は、どこにでもいる厨二病患者だった。
邪気眼系で、二つ名や、能力名を考えては悦に入っていた。
そんな彼は、高校では文芸部に所属していた。
と言っても、文化祭で部誌を出す程度の温い部活だ。
それが、半年前。
突如光に包まれたと思ったら、部員一同、異能に目覚めていた!
すわ、組織の陰謀か! 敵は! 何と戦えばいい?
そんなノリになるかと思ったけど、全然そんなことは無かったぜ。
ただ、異能に目覚めた。
そんな異能の無駄遣いな日常系が繰り広げられる……
なるほどねぇ。タイトルから『おれと一乃のゲーム同好会活動日誌』を思い出したのですが、あながち間違ってはいませんでした。そんな、異能を持て余す物語。コメディタッチながら、過大な力を持ってしまったという事実に登場人物達は真面目に向き合っています。そうして、どうにか日常を過ごす、というような。でも、それは仮初めで……みたいなのがあるのかないのかは読んでみてのお楽しみですが、厨二病モノの創作論的な部分もあって中々に興味深い御華詩でした。
てなところで次は『空に欠ける旋律《メロディ》』です。