神代焔は、かつて破滅必至の世界の危機を一人で救った英雄である。
だが、人とは愚かなものである。
残った世界を統治する上で、一人で世界を救うような圧倒的な力など邪魔なだけである。
支配者達は、焔を邪悪な存在として吹聴し、生き残った人類の恐怖の対象とすることに成功する。更に、その力を封印して自分たちの立場を脅かさないようにすることに余念がなかった。
孤高を強いられた英雄。
そんな彼が、ある日、魔術師学校に入学させられることになって……
超越した力を持つが故の悲哀のようなものを孕んだ圧勝劇。
上手いこと制限を描いているので、ただただ圧勝しまくるというのではないのがいいですな。寧ろ、弱さが目立っていてバランスが取れている印象。まぁ、設定上致しかたないとはいえ、デ●●●●ンを連想してしまうのですが、それはさておいて。
ただ、凄く気になったのが、歩美に焔が助言するシーン。理屈は間違ってないんですが、眼鏡を外させる以外にやりようはなかったのか? そして、その後の彼女はちゃんと眼鏡をしているのか? その辺りがモヤモヤとしてしまってシュレディンガーの眼鏡状態となって終盤の盛り上がりがちょっと陰ったのが難点ですね。女性キャラの眼鏡の有無は、明確に。やはり、一番気になるところですからねぇ。
ともあれ、テンプレをキッチリとエンタメとして仕上げた安心して読める作品でありまする。続きも楽しみにしたいと思います。
てなところで次は『女騎士さん、ジャスコ行こう』です。