スーザン・コリンズ・著、河井直子・訳、メディアファクトリー文庫。
12月29日(火)未明読了。
目覚めたカットニスは、幻の第十三地区にいることを知らされる。
闘技場の破壊により、国家への大いなる叛逆として故郷は爆撃されてもうないという。
理不尽な状況の中、彼女を反乱軍の象徴として迎え入れて革命の火種を燃え上がらせるべく、第十三地区は動き始める。
スノー大統領への憎しみに突き動かされ、プロパガンダ映像の撮影に参加するカットニスだが……
叛逆の狼煙が革命戦争に発展する第三部にして完結編。
映画でツッコミどころで●●すりゃええやん、ってところは原作だとちゃんと●●してたりして、中々に味わい深い。
カットニスの視点で描かれており、悲惨な状況が解り易いのもありますが、それはそれとしてカットニス自身は感情移入しづらいキャラではありますな。でも、そのクールな視点で踊らされる大衆や踊らせようとする権力争いなんかがより滑稽であり風刺が効いているのも事実ですねぇ。実際に戦争になっているのですが、その中心にあるのは情報戦というか宣伝合戦でありプロパガンダなのですよねぇ。論理ではなく感情に訴えて大衆を動かそうという思惑を一歩引いて観るには、冷たい視線が適しているのも事実です。
ともあれ、映画も完走して原作も完走しましたが、やはり原作を読まないと伝わらないものも多い作品でしたねぇ……まぁ、映画は映像としてのエンタメ性を重視したからああなったのかなぁ、ってのは解る気はするのですが。ラストに関しては、映画の方が痛快だった気がしないでもないですし。
とまぁ、そんなところで次は『女騎士さん、ジャスコ行こうよ!4』です。