長谷川昌史・著、桜井熾竜・イラスト、電撃文庫。
12月8日(金)読了。
ピンチのときに届く「サイン」と呼ばれるメールにまつわる四人の少年少女のある一日の事件簿。
想いを遂げたい少年、想いを告げたい少女、刺激を求める少女、計画を実行したい少年。
朝の占いに始まって、その内容に絡めつつ、四人の視点が入れ替わり立ち替わり、事件の様々な側面を追っていく形で綴られます。が、こういう構成だと、どうしても『聖エルザクルセイダーズ』を思い出してしまいます(;^^) 上手いこと、この構成は活きていたと思います。
まぁ、いつものごとく細かいネタバレは避けて大筋だけですが、何というか、竜頭蛇尾というか。
始まりからそこから始まる事件の絡め方とか、意図的に少し時間軸を前後させたりと言った読者の意識の操作は上手いなぁと思ったんですが、エピローグが無ければもっとよかったと思います。
それぞれが体験する事件には謎があってそれは当然解決されるのですが…… う~ん、端的に言って『アンフェアなミステリー』。ちょっと無理矢理辻褄を合わせすぎというか、本当に惜しい作品でした。まぁ、私がミステリ好きなために、そういうところは神経質になってしまうので、気にしない人はノリで流せるかとは思いますが。

と、ちょっと辛口な内容になってしまいましたが、それはそこまでが面白かったが故なので本当に惜しい。

で、次は『ぼくと魔女式アポカリプス』です。