望公太・著、晩杯あきら・イラスト、GA文庫。
12月23日(金)読了。

ある日、不二由と雛村灰奈が暮らすアパートに突然届いた招待状。
差出人は自殺屋ヨミジ。
拒否すれば、灰奈が抱える事情を白日に晒すという脅し文句付きで、選択の余地は無かった。
招待されたのは灰奈だけだったが、彼氏として同行する由。
案内された屋敷で、彼は様々な殺人鬼達と出会う。
どうやら、そこに集められたのは殺人鬼ばかりのようで……

前回はポジティブな自殺という中々面白い切り口でしたが、今回は殺人鬼の恋人の視点でのアンチミステリ。
そもそも殺人事件があっても誰もが犯人でいいような殺人鬼の群れの中、クローズドサークルの無駄遣いも甚だしいですな。だからミステリにならないことを強調してミステリの裏を掻くアンチミステリと言えましょう。相当人を選びそうな気もしますが、その状況下での主人公の由の考え方や、それぞれの殺人鬼達の動機が面白いですな。このノリはかなり好みですねぇ。

あと、音でその状況を表している上で、組み合わせると『神』となる主人公である不二由のネーミングが上手いですな。今後、彼を中心に進むのか、また別人を中心として絡んでいくのかは解りませんが、続きが出たら読みたいと思います。

てなところで次は『ベン・トー8~超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円~』です。

Happy Death Day2 マーダラーズカーニバル (GA文庫)

望 公太
出版社:SBクリエイティブ
発売日: 2011-12-14