西尾維新・著、 TAGRO ・イラスト、講談社ノベルス。
12月28日(日)読了。

入院により欠員の出た私立千載女学園に一人の臨時教師が訪れた。
その直後、不可解な状況の死体が現れる。
装飾過多な、死体。
警察に任せておけばいいモノだが、残酷なのが運命である。
この学校には、よりにもよって倫理教師をしている串中弔士が居て。
臨時教師の名は、病院坂迷路といったのだ。
こうして14年前の『推理ごっこ』が再び始まり……

いやはや、怒る人は怒りかねない、色々とギリギリアウトなことを確信犯的に行っているアンチミステリ、いや、敢えて言うなら『幼稚』ミステリというべきか、そんな御華詩。フェアとかアンフェアとか気にしたら負けです。あくまで『ごっこ』と明記されているのですから。ミステリ読み慣れた人だったら流石にオチには途中で気づくと思います(そういう意味ではフェアな気もしますね)が、それでもシニカルで自己言及的にミステリの範疇でミステリを揶揄するようなそんな雰囲気は楽しいですねぇ。しかし、事件云々より『あの串中弔士が倫理教師』というのが一番の見所です。彼のあり方を今回の語り部が客観的に分析しているのが非常に興味深いです。まぁ、やっぱりネタバレを極力排除しようとするとどうにも抽象的になりますがこんな感じです。

とまぁ、そんなところでミステリ続いて次は『 SHI-NO -シノ- 過去からの招待状』です。