支倉凍砂・著、文倉十・イラスト、電撃文庫。
12月16日(水)読了。

桃のはちみつ漬け。
これまでも幾度か望んだモノの巡り合わせ悪く手に入れることの無かった逸品。
ロレンス達が立ち寄った街で偶然に耳に入った噂。
とある商館の主が桃のはちみつ漬けを高級なパンに載せようとしているらしい。
それはつまり、桃のはちみつ漬けがこの街にはあるということに他ならない。
今度こそ、ホロに買ってやろうとロレンスは店に向かうのだが……

今回は旅先でのちょっとしたロレンスとホロの遣り取りを描いた短編三編と、リュビンハイゲンの一件でロレンス達と深く関わった羊飼いノーラのその後を描く中編という構成でした。

ロレンスとホロの会話は相変わらずウィットに富んでいて読んでいて心地よいのですが、今回はホロ視点の短編が一つあり、それがまた楽しいですねぇ。普段、どういう気持ちでロレンスをからかっているのか? なんだかんだでロレンスを想っているのが伝わってくるのがよいですな。

そして、今回のメインとも言える羊飼いを廃業して服の仕立て職人を目指すノーラの後日譚は、語り部からして驚かされました。また、この語り部が面白い。上手いことやったなぁ、と思います。話の方も、夢は簡単にはいかないながらも、ノーラらしい展開で微笑ましいですな。また、どこかで本編と絡んでくるとそれも一興です。

てなところで次は『蒼月のイリス3』です。

狼と香辛料 13 Side colors 3 (電撃文庫 は 8-13)

支倉 凍砂
出版社:アスキー・メディアワークス
発売日: 2009-11-10