田尾典丈・著、三上ミカ・イラスト、MF文庫J。
8月29日(日)読了。

ゲーム製作会社ウルフアイ。
現在、新作SRPG『サクセションウォー』の開発中だった。
無理のないスケジュールで進められていたはずが、一転。
プロデューサーの思いつきの追加仕様によって、デスマーチプロジェクトに変貌してしまう。
そんな中、妹に心配された兄たちが取った行動は……

なんというか、兄率の高いプロジェクトだなぁ……というのはさておき。
デスマーチの中で可愛い妹たちと仕事の選択を迫られる兄たちの連作短編集。
さすが、かつてゲーム番組の取材でテレビ出演もこなした作者だけはあり、ゲーム製作絡みのあれこれが生々しいですねぇ。そういえば、勇姿を録画したビデオテープを処分してしまったのが惜しまれる。   ゲーム開発の現場は知らなくとも、システム開発の現場に身を置いている人間としては「ああ、どこも一緒か……」と共感してしまうけれどもそれは切ないことですな。
最後まで絵面白く読めたんですが、それこそ哀しいことで、本当は「え? 別に当たり前のことばかりで小説にする意味あるの?」って言われるような社会であって欲しいモノです。

てなところで、次は『ペンギン・ハイウェイ』です。