田中芳樹・著、加藤直之・イラスト、徳間書店。 9月4日(火)読了。

帝国、同盟双方の内部の問題が落ち着いた頃。 帝国内部でイゼルローン攻略のための奇想天外な作戦が立案された。 荒唐無稽とも思われる作戦だが、ラインハルトはそれを了承してしまう。 キルヒアイスがいればどうだっただろうか……側近の苦悩も裏腹に作戦は遂に決行される。 奇しくもその頃、馬鹿馬鹿しい理由でヤンはイゼルローンを離れており……

銀英伝へのアンチテーゼ的な色合いもある『無責任艦長タイラー』シリーズは完走してる身として、今回登場した作戦は、「あ、銀英伝の世界観ってこういうのありなんだ……」という衝撃が。でも、よく考えたら『アルスラーン戦記』と同じ作者でしたね、これ。むしろ、こういう路線を交えつつ、三十年間全く歴史から学べておらずヤン提督が頭を抱えそうなリアルな社会情勢を皮肉る作風は痛快ですね。
あと、本人ほとんど登場してないのに下手するとラインハルトより怖れられて存在感のあるオーベルシュタインさんがとてもいいですね。
本当、長年磨いてきたネタバレ回避によりこの年になって新鮮に読める悦びに感謝!

てなところで、次はまだ手元にないので『ペンギン・ハイウェイ』読みます。