城平京・著、片瀬茶柴・イラスト、講談社タイガ。 3月5日(日)読了。

あやかしたちの知恵の神たる岩永琴子。
最近、あやかしたちの間で密室を台なしにする遊びが流行っていて困っていた。
そんな、開かれた密室からあやかしの影響を隠すため、琴子はいつものように虚構を構築し……

『密室』をテーマにした短編集ですが、最初の短編からあやかしだったら「せやな」というやらかしを軸にしてるのが楽しいですな。
様々な解釈の『密室』でバリエーションもありつつ、琴子の在り方はブレずに心地良い。最後の話の終わり方も、ミステリとしてはどうかというものながら虚構推理ならではで印象的でよし。
それはそれとして、六花がすっかりいいように使われているというか。
ミステリの定番の『密室』を扱うことで、『虚構推理』が元来の推理と同じ手法ながら虚構の真相を産み出す流れが際立つ短編集でありました。

てなところで次は、『三体Ⅱ 黒暗森林(上)』です。