アガサ・クリスティー・著、クリスティー文庫。 3月21日(月)読了。

莫大な遺産と絶世の美貌を備えたリネット・リッジウェイ。
彼女は突然結婚し、エジプトへと新婚旅行へと赴いた。
ナイル川での船旅には、様々な思惑の者達が乗り合わせ、やがて事件が起こる……

映画鑑賞前の復習に久々のクリスティー。翻訳ミステリが読書の原体験なので、色々しっくりきますねぇ。
とはいえ、事件が起こるまでに相当の尺を使って登場人物描いてたり、そこに伏線が仕込まれてたりもするのですが、非常に贅沢な御華詩ですな。
ネタバレになるので詳しい内容には触れませんが、既に 1937 年時点でミステリの自己言及的な部分があったり、本格の抱えたあれこれを感じたりもします。
でもやっぱり、これは『ナイル殺人事件』というよりは『ナイルに死す』ですよねぇ、と映画版表紙のタイトル並記に色々思うところありつつ、そういえば以前の映画も『ナイル殺人事件』だったので今回もそれに習っているということか。
ともあれ、古典を堪能した次第です。

てなところで次は『ひきこまり吸血鬼の悶々3』です。