米澤穂信・著、角川文庫。   6月21日(日)読了。

天正六年十一月。信長に反旗を翻した荒木摂津守村重が治める有岡城に、説得のため黒田官兵衛が訪れる。
村重は、その言を聞き入れず、されど討ちもせず、土牢へと幽閉した。
戦国の世の習いに反するこの行為が、因果を巡らせ始める……。

古典部シリーズは読んでるので、毛色の違う作品が発表されて「わたし、気になります!」となりつつもタイミングを逸して読めてなかったんですが、映画化を機に読了。
内容的には、戦国時代を舞台とした、本格ミステリ連作短編集。 史実を元とする以上、作中年月から誰が生き残るかは最初からわかってしまうというミステリとしては致命的なネタバレがあるのですが、それでも、歴史の空白を密室殺人などの定番のミステリ要素で補っ手ミステリとして成立していますな。
それぞれの事件を通して描かれる当時の武士やその周辺の死生観が絡みあって、最後に明らかにされる真相がいいですねぇ。ある意味ベタベタなのに、歴史とミステリをいい感じに融合させて迎えた結末なので陳腐には感じない。
これで映画を観れるので、時間をつくって観に行きたい所存。

てなところで次は『のうりん 完結記念文庫』です。