今村昌弘・著、創元推理文庫。 11月17日(日)読了。

神紅大学ミステリ愛好会は『神紅のホームズ』明智恭介と、彼の助手というかストッパーの葉村譲の二人だけ。
明智は曰くのある映像研究会の合宿に謎を求めて潜り込むべくしつこく画策するが、断られ続けていた。
だがそこに突如、光明が見える。
二人に同行を求めたのは、剣崎比留子。 理由を聞かないことを条件に、明智と葉村は、映研の合宿へと参加することになった。 だが、彼らは知らなかった。
そのペンションで起こる、想像だにしない極限状況を……

本当に、想像していなかった展開なのに、どこまでも本格ミステリ。 心地良いロジックで暴き出されるフーダニットとハウダニット。そして、引き出される人間の闇のホワイダニット。
なるほど。新・新本格というのは言い得て妙ですな。学生メインの青春絵巻的な要素もあるところで、解説を有栖川有栖が書いているというのも感慨深い。
色々語りたい内容があるけれども、ネタバレせずには語れないのですが、期待以上に本格を味わえた余韻に、今はただただ浸ろう。
ともあれ、これで映画館で予告が流れる度にネタバレを警戒して目と耳を塞ぐ必要はなくなったのは有り難い。

てなところで、次は『処刑少女の生きる道《バージンロード》~そして、彼女は甦る~』です。