川原礫・著、 HIMA ・イラスト、電撃文庫。
6月25日(木)読了。
第15回電撃小説大賞大賞受賞作。

人が直接ネットワークに繋がる近未来。
そんな時代にもいじめられっ子は存在する。
デブでコンプレックスの固まりなハルユキは、仮想現実のゲームだけは得意だった。
昼休み、隠れるように一人で地味なスカッシュゲームに興じていた彼に、黒雪姫、誰もが憧れる副会長が突然声を掛けた。
身分違いも甚だしいと主ながらも、出向いた彼は、そこで驚くべき事態に遭遇する。
それが、彼の『加速』の始まりだった。

いやはや、本当に良くできたエンターテインメントですな。ツボを押さえた内容というか安定感があります。
美女と野獣的な恋愛譚、加速による擬似的なタイムストップ、幼馴染みとのすれ違い、コンプレックスの固まりで自分さえも信用できないが秘めたモノを持つ主人公 etc.etc.
真新しいモノは全くなくても組み合わせと見せ方で十分に楽しめるモノが出来上がると言うことですな。昨今、オリジナリティが暴走して一発ネタ的なモノが増えたところで、こういうのは初心を思い出させてくれる内容です。
漢字二文字で表すなら『王道』。
なるほどなぁ。確かに、今、この時代でこの内容は大賞に相応しい作品に思えます。
発売から大分時間が経ってから出たので既に2巻も発売しているので読書スケジュールと相談して読んでみたいと思います。

てなところで、次は『ぴにおん3』です。

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

川原 礫
出版社:アスキーメディアワークス
発売日: 2009-02-01