元長柾木・著、 BUNBUN ・イラスト、角川文庫。
7月13日(水)読了。

平穏を重んじ、日々のルーティンをこなすことを幸福とする香織甲介。
彼のルーティンには、しかし、殺人が含まれていた。
特に理由無く、習慣としての殺人を繰り返す。
そんな彼に、安全な対象を提示する飛鳥井全死。
ある日のルーティンの帰り道。
電車に乗り合わせ全死に見初められた為に、一人の少女が塗り替えられ……

『飛鳥井全死は間違えない』の加筆修正を加えた文庫化。
既に、単行本は既読ですが大分記憶が古くなっていたのでここで補完できたのは有り難いことです。
やはり、私の性分には合いますねぇ。物語でもキャラクターでもなく、正にこの作品の文脈《コンテクスト》が。
恐らく、この場合のコンテクストは文脈という字義よりも、 Web アプリケーションなんかの Context に近いんでしょうねぇ。
そう捉えれば、システマティックに解釈も可能でしょう。まぁ、メタテキストの書き換えをインジェクションのすり替えのように捉えたりとかはちょっと格好を付け過ぎて微妙なんでしょうが、そういった思考実験的な楽しみがありますな。
まぁ、そんな内容であるが故に、可成り人を選ぶ作品だとは思いますが、私は存分に楽しめる作品でありました。

てなところで引き続き『全死大戦2~少女覚醒~』です。

全死大戦(1) サイレント・プロローグ (角川文庫)

元長 柾木
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日: 2009-11-25