早矢塚かつや・著、熊虎たつみ・イラスト、一迅社文庫。
9月13日(月)読了。

小清水祐貴《こしみずゆうき》にとって、恋愛とは百合であった。
女の子同士がいちゃいちゃするのを眺めることこそが至福。
特に彼が注目していたベストカップル(=脳内カップリング)は、クラスメートの白鷺このはと、柊桐佳《ひいらぎきりか》の『この桐』だった。
二人を見ているだけで心がほかほかする、それがノータッチを旨とする変態紳士、祐貴の信条だった。
だが、ある日、そのささやかな幸福は崩れ去る。
呼び出された体育倉庫裏で、彼は、件の白鷺このはに告白されてしまうのだ!
「ごめん、俺は女の子じゃないから君とは付き合えない!」
魂の叫びをぶつける祐貴だったが……

いや、これは面白い題材ですな。
百合にしか興味が無く、決して自分を恋愛の渦中に含めない祐貴と、彼に思いを寄せるこのは。
そして、このはの親友の桐佳と、彼女に突如アプローチを開始する咲良《さくら》先輩。
この四角関係を軸にした、じゃんけんのような恋愛模様を描く御華詩。
変態紳士を自負する祐貴が何故持てるのか? とかいう部分もキッチリ理由付けされていたりで、人物も掘り下げられていて百合好きの変態性を全面に出したコメディかと思いきや、シリアス成分もそれなりにあったり、結構しっかりした物語でした。うん、これは次が楽しみです。特に、さと子の出番がもっと欲しい……

てなところで次から話題のこのライトノベルがすごい!文庫に入ります。
最初は木野さんの『暴走少女と妄想少年』です。

白鷺このはにその気はない! (一迅社文庫 は 4-4)

早矢塚 かつや
出版社:一迅社
発売日: 2010-06-19