清涼院流水・著、文藝春秋。
1月16日(日)読了。

工藤大地は、婚約者の春野海と共に明治神宮に初詣に訪れていた。
二人は、もうすぐ結婚式を挙げる予定だった。
幸せな未来が約束されている、そう信じていた。
だが、新年の幕開けは一つの未曾有の計画の幕開けでもあったのだ。
次々に人が消され続ける。
ただ、その事実だけが積み上がり、日本から人が減少していく中、二人の運命は……

いやぁ、久々の流水大説でした。このノリですねぇ。JDCやらと比したらこれでも『リアル』というか、強引にリアルの範疇に収めようと画策された御伽華詩であります。

相当に人を選びそうですが、かつて講談社ノベルスのジョーカー以降をリアルタイムで心待ちにして読み耽った人間には感じ入るモノのある作品でした。そしてまた、自分自身が如何ほど流水大説に影響を受けているかも再確認できました。ああ、これがいいと感じたから、やろうとしてしまうんだと。でも、やるならここまでしないとね、という感じでしょうか?

まぁ、ネタバレを避けて内容には踏み込みませんが、合わない人には無駄な努力とも言えるような形で、こういった無茶な技法を成立させてしまうのは流石としか言えません。ふむ、ここしばらくご無沙汰でしたが、時々は読まないといけませんね流水大説。

てなところで並行は終わって次は順当に『ライトノベルの楽しい書き方7』です。

コズミック・ゼロ

清涼院 流水
出版社:文藝春秋
発売日: 2009-05-27