とある穏やかな村の日常風景。
幼馴染みの少女に起こされた少年は、いつものように和やかな通学路を歩む。
その途中。
珍しい異国の娘の姿を目にする。
その娘を肴に、昨今の世界情勢に付いて語らう少年少女。
だが、突然、少女の頭が……

ご都合主義をある程度容認する世界設定での、吸血鬼と人間の物語。
タイトルにある『リヴァイアサンのセカイ』というのがこの物語の本質を如実に表していますな。
世界観を楽しむタイプの人には楽しめ、人物に感情移入することを楽しむ人には辛い、そんな御華詩。
リヴァイアサンの解釈と、それに基づく世界の有り様は中々に興味深いですが、反面、最後の最後まで誰が主人公かさっぱり分からない構成(狙ってやっているのは伝わってますが)は昨今のライトノベル読者には辛いモノがあるかもしれません。まぁ『誰が主人公か?』を考えながら読むとそれはそれでまた違った楽しみがあるのも事実ですが、これは私みたいなタイプの人間にしか通用しないでしょうし。
まだまだこれから、という感じでもあるので、この世界の行く末に興味はありますな。

てなところで次は『変態王子と笑わない猫。2』です。

リヴァイアサンのセカイ (ガンガンノベルズ)

チャー
出版社:スクウェア・エニックス
発売日: 2011-03-22