かじいたかし・著、皆村春樹・イラスト、HJ文庫。
2月3日(金)読了。

愛する現在文学を守ることに成功したイモセ・ギン。
相変わらず作家を目指すも、その独特の感性のために泣かず飛ばず。
最近始めた小説サイトでの評価も批判ばかり。
だが、そんなある日、彼の作品を賞賛する声が上がり始める。
それと時を同じくして、唐突に彼の前に現れる『実妹』。
こうして始まる『実妹』VS『義妹』の戦いの日々。
それは正に、現代文学の醍醐味で……

漢字が使われなくなり、この世界とは異なる『現代文学』が成立した未来での御華詩。
これまでは、『現代文学』と『近代文学』という対立項でしたが、ここに『未来の文学』というものが関わってきて話が動き始めた、という雰囲気ですな。まぁ、ある程度は結末は予想されるのですが、どうやってそこへ向かっていくのか? そしてまた、『実妹』の登場で動き始めた『義妹』との関係もまた、一つの大きな物語の軸でしょうな。

とは言え、無茶ながら世界観が安定してきてしまったのもあって、ちょっとばかり灰汁が抜けてきたようにも感じますねぇ。まぁ、それがいいのか悪いのかは解りませんが……って、単に読み慣れただけかもしれませんが(;^^) ともあれ次も出る様なのでどこへ向かうのか見届けたいと思います。

てなところで次は『 Steins;Gate 3 境界面上のシュタインズ・ゲート : Reverse 』です。

僕の妹は漢字が読める3 (HJ文庫)

かじいたかし
出版社:ホビージャパン
発売日: 2012-01-30