蘇部健一・著、講談社文庫。
3月22日(金)読了。
第三回メフィスト賞受賞作。
保険調査員、小野由一。
彼は、保険金に絡む数々の事件に携わってきた。
その多くは、謎に満ちたものだ。
だが、時に友人の力を借りながら、彼はその謎を解いてきた。
これは、そんな彼が携わってきた事件簿……
ああ、なるほど。確かに、世の評価に違わぬバカミスだ。でもまぁ、前世紀の前半には謎が出尽くした感のあるミステリにおいて、こういうアプローチは非常に楽しいですな。バカとは言え、キチンと本格仕立てになっていたりもして、中にはとある有名作をモチーフとしたモノまであったりして、ミステリが好きなのだなぁ、というのが伝わってくる御華詩でもありました。ある意味、構造的にはアンチミステリとも取れるパロディという形での自己言及。論理が通れば道理が引っ込むような会話とか、楽しいですねぇ。取りあえず、最初の短編を電車で読んでいて非常に危険な状態でした。
てなところで次は『妹様による、俺ルート攻略・ラブコメ理論』です。