野崎まど・著、ハヤカワ文庫。
12月29日(日)読了。

大兄太子は裕福な家庭の出であった。
上流階級の過ごす学舎で過ごし、最高学府での研究へと到った。
だが、その根底にあったもの。
それは、女性への、否、女体への、無自覚な憧憬で……

『ファンタジスタドール』が生まれる動機とも言える、研究者の物語。カードから女の子が現れる、その理論が構築されるに至る経緯がSFとして描かれています。その根底としてあるのが、純文学的なとある男の葛藤と目覚め。
原作者の谷口悟郎氏の解説に書かれているとおり、中々に興味深いメディアミックスの産物でありました。確かに、こういう拡がりこそが、その利点でもありますしね。まぁ、アニメから入ると「なんじゃこりゃ?」かもしれませんが、だからこそ、意義があるのでしょう。

てなところで次は『きんいろカルテット!』です。

ファンタジスタドール イヴ (ハヤカワ文庫JA)

野崎まど
出版社:早川書房
発売日: 2013-09-20