元長征木・著、緒方剛志・イラスト、Z文庫。
10月6日(金)読了。
印象的なタイトルに惹かれて買ったのですがこれは当たりでした。
原爆が落下する直前で食い止められた、今の歴史とは異なる歴史を歩んだ広島が舞台の物語。
そんな中、ジュブナイル・サミットと称されたイベントに参加するために来日したアメリカ人の少年アドルファス・クーリッジはヤクザの鉄砲玉として生きる榊塚アカリに、チンピラに絡まれたところを救われる。
そうして、アドルファスは感じるところがあってアカリをヤクザから抜けさせようと無謀にもボスに直談判するも、鉄砲玉としての生き方に疑問を持たないアカリが受け入れるわけはなく、余りに一方的な行為に容赦なくアドルファスに向かい白刃を閃かせる…… さて、アドルファスの運命やいかに?

と、そんなボーイ・ミーツ・ガールな御華詩。嘘ではないがかなりミスリーディングですが、それでいて本筋なような。飛び散る血飛沫弾ける人体降り注ぐ肉片とそんな痛快活劇ではありますが、何か、不思議と雰囲気のある物語でした。テーマは、『なすべきことをなす』ということと『選択』。この辺の絡みが話に深みを持たせています。

あと、これだけ人を斬殺しまくって、容赦なくって愛想も無いのに『可愛い』と形容したくなるヒロインは凄いです。

どうやら、まだ続きそうなので次巻も読もうと思います。

と、そんなところで次はガラっと雰囲気を変えて『キミを救う最初の呪文2』です。