有栖川有栖・著、東京創元社。
10月30日(火)読了。
15年と7ヶ月ぶりの長編第四作。
久々の本格ミステリに幻惑を感じつつも心地よいひとときを過ごせました。
突如推理小説研究会の面々の前から姿を消した江神さんが訪れた山奥の村。そこはとある新興宗教が支配する地で、江神さんを探しに訪れたアリス達が巻き込まれる事件……
とまぁ、何となく前の『双頭の悪魔』を暗示する内容ですが、今回は大分趣が違うというか『宗教』と言うモノが秘める心理的な禁忌とミステリ的な要素が興味深い形で結合されていました。また、この宗教自体の性質も少し特異で面白いですねぇ。この辺、ミステリはネタバレ気にして書きづらいですね。
話の流れに触れない部分であれば、やはり作中人物が主に大阪弁というのが嬉しいですねぇ。これも一つの魅力です。

正直、全体として古臭いと感じる方もいるかもしれませんが、このかっちりとパズルのピースが埋まっていく感覚がやっぱり心に染みます。うん、やっぱりこういうのが好きですね、私。

とまぁ、曖昧な内容しか書けないのでこの辺にして、次は『神様が用意してくれた場所2~明日をほんの少し』です。