日日日・著、鈴見敦・著、 MF 文庫 J 。
11月9日(金)読了。
多作な日日日の新シリーズ。
MF 文庫 J ではどんな風にいくのかと思ったら、これはこれは好みの御華詩でした。
最近若干マンネリ気味だなぁとか思わないでも無かったんですが、そこは自覚があったそうで、今作では意図的に今までと雰囲気的を違えています。
閉鎖的な巨大学園で人外生徒の百鬼夜行。
まぁ、手垢のついた世界観なんですが、それは置いておいて、やっぱり鮮烈な印象がありました。
その学園を統べる生徒会長『魔女』剣シロオの物語。
幼い頃に幼なじみの男の子を生け贄にして魔女を目指した彼女の現在。
彼女にとっては死人である語り部の少年。
どうしてこんなに歪んでいながらまともな人間を描けるのか…… その辺りのバランス感覚がいいですねぇ。人間が好きなんでしょう。
そして、穿ってみればこれは今の学校のあり方に対する一つの警鐘でもあるのでしょう。
そんなところから、話の筋は全く異なるにも関わらず、ずっと『ちーちゃんは悠久の向こう』を連想していました。当時は高校生だった彼の視点からですが、今も根底には『学校』と言ったものに関して言いたいことがあるのでしょうねぇ。

まぁ、そんなこんなで魔法の出てこない『魔女』の物語。非常に楽しめたので続きが楽しみです。

とまぁ、そんなところで次は『刀語 第十一話 毒刀・鍍』です。