石川博品・著、うき・イラスト、ファミ通文庫。
4月10日(金)読了。
第10回ファミ通文庫えんため大賞優秀賞受賞作。

『本地』のエリートと『王国』の王族が集う第八高等学校。
レイチ・レイーチイチは親のコネで入学することになっていた。
その道中、シャーリック王国の王族の付き人として同じ八高に入学するワジと列車に乗り合わせ友人となる。
八高に付くと、ワジの主人であるネルリとその護衛であるナナイと出会い、同じクラスで学ぶこととなった。
本地と王国、文化の違いから考え方も異なり、何かと問題も孕みつつ学園生活は幕を開けて……

ふむむ、タイトルの印象からもっと残酷というか強烈は御華詩を想像していたのですが、内実は異文化コミュニケーションとその壁への挑戦というか、そんな感じの青春活劇…… だったと思います、多分。とりあえず、語り部のレイチが真面目な流れでもエロ系の妄想トークをかます辺り、『藤堂家はカミガカリ』に通じるモノを感じたりしますが、これは可成り些細な連想で、全体的には確かに独特な世界観と語り口を形成していたなぁ、と感じました。正直、プロット自体は淡々としたモノなんですが、その語り口で引っ張られる感じですね。物語的にはどうとでも続けられそうな感じなので次はどうなるのか、気になるところではあります。

とまぁ、そんなところで次は『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 3』です。

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

石川 博品
出版社:エンターブレイン
発売日: 2009-01-30