岩波零・著、異識・イラスト、 MF 文庫 J 。
1月2日(土)読了。
第五回 MF 文庫 J ライトノベル新人賞優秀賞受賞作。

始業式の放課後、小山萌太はふと思った。
教室のゴミ箱に入りたいと。
それは得も言われぬ衝動で、気がつけばゴミ箱にすっぽりと収まってしまっていた。
すぐに我に返るも後の祭り、ゴミ箱から逃れることは出来なくなっていたのだ。
そんな萌太の前に、新しいクラスメートの水無氷柱が現れる。
そして、萌太に非情な言葉を告げる。
「あんた、妖怪ゴミ箱男らしいわ」
こうして、妖怪を探知する能力を持つという氷柱と共に、困った妖怪達の手助けをする日々が始まって……

ああ、これはよく出来た御華詩ですねぇ。突拍子もない設定と、キャラクターの漫才、そして、その設定を活かしたラブコメ展開。綺麗にまとまっていて最後まで楽しく読むことが出来ました。特に、氷柱のキャラクター設定はよく出来ていると思います。基本部分だけ見ると戦場ヶ原ひたぎっぽい成分が強いですが、それだけではなく、魅力的なヒロインとして描かれていたように思います。ヒロインが一人に絞られている分、分かり易いと言えますね。
……まぁ、そのために噛ませ犬的な役割の眼鏡っ娘委員長の彩音がちょっとかわいそうですが仕方ないですな。

てなところで、次は『烈風の騎士姫』です。

ゴミ箱から失礼いたします (MF文庫J)

岩波 零
出版社:メディアファクトリー
発売日: 2009-11-21