東川篤哉・著、創元推理文庫。
4月8日(金)読了。
一九八×年。
岡山でその才を存分に発揮する天才建築家、十文字和臣は、瀬戸内海に浮かぶ横島に、その作品を築きあげた。
銀色に輝く六角形の外壁に囲まれた不可思議なデザイン。
その中には、ホテルのような設備の部屋。
更に特徴的なのは、内部を貫く巨大な螺旋階段。
しかし、彼はその螺旋階段の一階部分で、変わり果てた姿で発見される。
それは、螺旋階段の高さ以上からの墜落死。
にも関わらず、墜落現場はどこにも見あたらず……
久々に本格でありまする。
『ユーモアミステリ』と銘打たれている通り、どこか緊張感に欠けるユーモラスなやり取りが繰り広げられていますが、最後の最後の解決は、本格の範疇でした。なるほどなぁ。ニッチなミステリの間口を、こういった形で広げるのも一つの道ですな。ただ、野球ネタが多いんですが、私、野球さっぱり解らんので、そこは大いにマイナスでした…… とは言え、面白いやり方ではありますな。
てなところで次はMF文庫J消化に戻って『オトコを見せてよ倉田くん!5』です。