ロバート・A・ハインライン・著、矢野徹・訳、ハヤカワ文庫。
10月1日(火)読了。

月世界の計算機技術者マニーは、担当する政庁のコンピュータが自我を持つことを知り、彼をマイクと名付けて友人となる。一方で、偶然立ち寄った反体制的な政治的講演の最中、行政府の武装した護衛兵との乱戦に巻き込まれることとなる。
それが切っ掛けとなり、彼は月世界の革命に深く関わることとなり……

21世紀後半。流刑地となった月世界で独自の文化を築いた月世界人が地球からの独立を目指す革命の物語。まぁ、およそ半世紀前の作品で有り、道具立てに時代を感じさせるものもあるのですが、電話網を使った通信の仕組みがほぼインターネットと同様の扱いで全然違和感無かったりして、SF作家の想像力というか未来予測というか未来を夢見る力ってすげぇ、と思ったり。また、社会科学的な部分も、ほぼ現在にも通用する内容で、なんというか、人間って根本的な部分で全然成長しとらんのかねぇ、と頭を抱えそうにもなりますが(;^^)
細かい内容はネタばれるので避けますが、SFってこうだよなぁ、と色々と思い出させてくる読書体験でありました。やっぱり、たまにはSFも読まんとねぇ。

てなところで次はメガネノベル『境界の彼方』です。

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)

ロバート・A. ハインライン
出版社:早川書房
発売日: 2010-03-15