鳥居なごむ・著、鴨居知世・イラスト、KAエスマ文庫。
10月6日(日)未明読了。
第2回京都アニメーション大賞奨励賞受賞作。

半妖である神原秋人は、要約すると眼鏡が大好きだった。
そんな彼は、眼鏡の似合う後輩にして異界士の栗山未来と衝撃的な出会いを果たす。
かくして、二人の物語は始まって……

素晴らしい。こういう作品が読みたかった! これほど共感できる主人公には初めてかもしれません。彼の一つ一つの言葉が、まるで山本一番星の言葉が黒崎堕美泥の心にそうしたように、響きます。そんな、眼鏡愛溢れる作品。

妖夢と異界士という本来なら狩られる者と狩る者との間に生まれたはぐれ者である主人公、神原秋人が、忌み嫌われる力を持つ眼鏡が似合う異界士の栗山未来と出会い、共感を覚えながら彼女が巻き込まれる事件に首を突っ込んでいく……ただ眼鏡を愛でるだけでなく、飽くまでそれをアクセントしながら伝記的なストーリー展開。そして、あの心地よいラスト。眼鏡愛をここまで上手く心理描写に絡められると圧巻でありました。

という訳で引き続き『境界の彼方 2』です。

境界の彼方 (KAエスマ文庫)

鳥居 なごむ
出版社:京都アニメーション
発売日: 2012-06-09