武田綾乃・著、アサダニッキ・イラスト、宝島社文庫。
4月5日(日)読了。

新しい顧問の就任を切っ掛けに生まれ変わった北宇治高校吹奏楽部。
関西大会への切符を手に入れ、次のステージへと厳しい練習を行う日々だった。
やる気も十分でいい雰囲気を保つ中で、ちょっとした波瀾が起こる。
部に復帰したいという二年生が現れたのだ。
だが、彼女は顧問に掛けあうでなく、三年生のあすかの許可を求める。
なぜ、彼女はあすかの許可を求めるのか……

吹奏楽部を舞台とした青春物語第二弾。今回は、かつて大量の退部者を出した二年生を中心とした御華詩でありますな。過去の因縁、というか曰くというか、そういったものが描かれるのですが、ありそうな話ですねぇ。でも、どれが正解というのがないのがもどかしい。
関西大会を目指してコンクールを巡るあれこれも、色々とやりきれない部分も含めてしっかり描かれているのがいい。コンクールに対するとある滝先生の台詞は、ちょっと綺麗事というか上手いこと誤魔化してるようにも思えますが、そうするしかないのですよね。メンタルが大切ですし。
また、あすかが何を考えているのかがこの作品の一つの謎のようにも思います。今回はその片鱗が見えてますが、まだまだ何かありそうです。今後も彼女に注目したい。だからこそか、小さくてもちゃんと表紙にあすか先輩がいるのがいいですねぇ。

てなところで次は『のうりん10』です。