羽根川牧人・著、遊兎ルコ・イラスト、富士見L文庫。
2月7日(日)読了。

この春から大学生になり京都へやってきた麻衣は、バイト探しに苦労していた。
それには、人には言えない原因があった。
彼女は霊感が強く、見えてはいけないものが見えてしまう。
行く先々のバイト先に、そういうものが見えてしまうために、うまくいかないのだ。
あるバイトの面接への道すがら、彼女は香魅堂という香専門店へ迷い込む。
その店頭には、『視える人優遇』というおあつらえ向きのバイト募集のチラシが掲げられていて……

『嗅覚』に根付く怪異を『香』で払う、という形式のちょっと変則的なミステリ風味の退魔もの。読んだ雰囲気としてはメフィスト賞寄りの香りを感じます。
匂いを起点とした怪異の設定が中々に興味深い。偏屈な店主と、はっきりものをいう助手の少女、お調子者の店主の友人、という構図はまぁ、定番の構成ですな。
地味といえば地味な御華詩ではありますが、個人的にこういうのは香物、もとい好物でありました。
二巻も出てるので近いうちに読みたいところ。

てなところで次はハルチカシリーズの『初恋ソムリエ』です。

香魅堂奇譚 (富士見L文庫)

羽根川 牧人
出版社:KADOKAWA/富士見書房
発売日: 2015-04-15