七尾与史・著、けーしん・イラスト、新潮社文庫nex。
9月11日(日)読了。

人とのコミュニケーションに致命的な欠陥を抱えたネット依存の行き着いた先。
電波が届かないだけで体調に異常を来す圏内ちゃん。
だけど。
電波さえ届けば彼女の独壇場。
掲示板に挙げられた情報から、どんどん真実を明かしていく。
そんな彼女の関わったとあるネット炎上が、いつの間にか連続殺人事件の様相を呈してきて……

なんとも一昔前感の漂うタイトルですが、それがまた味になっている作品ですねぇ。
ネット掲示板での炎上から個人情報特定までの卓越した能力を持つ圏内ちゃんが、その能力を活かして事件の謎を解く。
まぁ、事件について書くのはマナー違反なので避けますが、ネットの性質を利用したり色々と専門知識を絡めたり、オーソドックスながら圏内ちゃんの安楽椅子探偵しか基本的にできない設定があって興味深い物語でありました。現状三巻まで出ているようなので、また、折りを見て続きを読みたいと思います。

てなところで次は『そのオーク、前世《もと》ヤクザにて』です。

バリ3探偵 圏内ちゃん (新潮文庫nex)

七尾 与史
出版社:新潮社
発売日: 2014-09-27