澤村伊智・著、角川ホラー文庫。 9月30日(水)読了。

田原秀樹には、幼い頃に奇妙な記憶があった。
祖父の家にやってきた、影。
やがて、妻を迎え子をなした頃。
それは、やって来た……

映画『来る』が面白かったので原作をば。
三つの視点で描かれる『ぼぎわん』を巡る事件の顛末はミステリ風味ですな。
視点が変わると人の見え方が変わる。『ぼぎわん』という怪異が確かにいますが、それ自体は比較的オーソドックスな怪異で。
そこに人間の在り方のようなものが並列されることで物語を盛り上げていますねぇ。
映画は映画で、エンタメとして大幅アレンジしていた一方、本質は外していなかったのかなぁ、と。
比嘉姉妹シリーズと言うことで後続作もあるようなので、続きも読んでみようかと。

てなところでこちらの次は『ずうのめ人形』です。