えらく久しぶりになってしまった『ゲーム』カテゴリ。
発売日に購入していながら下記のマイナス点に辟易しきって中断していて、このゴールデンウィークで再開して完全解決を達成した『奈落の城』です。

読書日記にも度々書いてますが、私はミステリが好きというか最も長い付き合いのジャンルです。そんな訳で、本格ミステリの雰囲気を美事にゲームとして表現した前作『雨格子の館』にはいたく感動したので、その続編が出るという訳で喜び勇んでプレイ開始しました。

が、前作でよかった『能動的に事件を扱える』(証拠が揃えば即座に告発可能)が無くなってしまって、例え決定的な証拠を先取りで見つけても決めれた順番でしかフラグを立てられずに「あ、それ明日用のフラグだから、今日はこっちの証拠品見つけてないとバッドエンドね」とかなる部分が多々あってマイナスポイントでした。

まぁ、今回は説明書に明記されているとおり、一回では本当の解決にはたどり着けないような仕組みなのでそれもやむを得ないんでしょうが、前作のスタイルに惚れ込んだ身には、これは大きなマイナス要素でした。また、ミステリとしても「事件を繰り返す」って構造自体がゲームならではのモノなので「どうなのか?」ってのがあったりします。

が、その辺りは「前は前、今回は今回」と割り切って別ゲームとして、普通にオーソドックスなアドベンチャーゲームとして楽しむと充分に面白い部類に入るゲームでした。前作よりも『ゲーム性』を重視した結果でしょうねぇ。これはこれで懐かしい雰囲気で、割り切ってからは夢中でプレイしていました。

キャラクターも相変わらず魅力的ですし、どうでもいい話で盛り上がれたりするのは楽しいですね。何より、探偵役の和が本当にいいキャラです。彼だからこそ解決出来た事件、というのは踏襲されていたと思います。

ゲーム的にも、色んなところを調べて証拠品を見つけてそれに付いて聞き込んで真相に近づいていくってのは、最近めっきり減ったオーソドックスなアドベンチャーゲームのテイストを思い出せて古参ゲーマーには嬉しいモノがありました。

まぁ、ミステリ好きとしては、このゲームの一つの肝である『暗号』がちょっと物足りなかったかなぁ、というのがあります。一つ目は30分ぐらい悩まされましたが、あとはどれもワンパターンなのですべて瞬殺でした。正直、もう一ひねりあって欲しかったですねぇ。特に最後の暗号も同じ要領で一発で解けてしまったのは「ええ! これでいいの?」と拍子抜けしたり(;^^) でも、暗号と見れば自力解読が当たり前で解読するまで続きを読まないとかしてきた人間にはこんなでも、クリア後に他の方の感想とか見て回ったりすると世間的には難し過ぎるぐらいらしいので、この辺のバランスって難しいですねぇ。多分、これより簡単にすると、私のような人間が逆に「簡単すぎる!」って文句言うでしょうし(;^^)

色々と苦言もありますが、でも終わってみれば十二分に楽しませて貰えるゲームでした。また、続編があったらプレイしたいと思います。