11月3日(月)フルコンプ。
とまぁ、久々のゲームカテゴリは久々に積まなかったゲームで。いや、昔はこれぐらいのペースで消化してたんですが、数年ぶりに買って週末でコンプを達成。続編でありファンディスクである比較的軽めな内容ではありましたが、存分に楽しめました。

システムは、ゲーム中に選択肢無し。開始時にショートシナリオのサブタイトルが幾つか表示されるので、それを選択する形式。最初は3つぐらいのサブタイトルしか選択できないのが、シナリオ終了の度に終了したショートシナリオに対応する新たなショートシナリオのサブタイトルがメニューに追加されていく、という寸法です。でも、その対応付けが秀逸でした。

『時惑い』と呼ばれる一種のタイムリープを軸に前作の全ヒロインのシナリオ終了が前提にされている開始時点に対して、今回は一つの時の流れを描いています。まぁ、その理由は前作のエンディング付近参照ですが、その辺りの搦め方が上手いです。

今回、前作のサブキャラのシナリオがいくつも追加されているのですが、ありがちな「主人公が片っ端からヒロインと結ばれる話」ではなく、特定の別の相手が居る場合には主人公抜きでその相手とのシナリオになってる関係上、色んなキャラの視点で描かれます。

それを利用してあるショートシナリオの一場面が別のシナリオの実は重要なシーンだったり、他のショートシナリオで「あ、あそこであいつがああしてたのはそういうことだったのか!」(語彙が少ないんじゃなくて、ネタバレ避けて代名詞にしてるだけですよ?)みたいなのがいくつも有りました。飽くまで、『全部が一つの時間軸に戻っている』という前作との違いが生きてますね。まぁ、キャラ攻略型のゲームでは普通は成立しないオチを実現することを可能とした前作と、それを受けてあえてキャラ攻略型では無くした今作のシステムは絶妙な対比です。

しかし、今回本当にサブキャラが愛されてます。というか、前作で圧倒的な存在感を示したお嬢様である高千穂よねと、取り巻きの浅間、吉野の三人娘が実は今回の主役と言ってもいいぐらい。それぞれのシナリオが可成りの比率を占めています。なんだかんだでいい人な高千穂さんやら、実は見た目通りの委員長だった…… じゃなくて苦労人だった浅間さんやら。中でも、吉野が下手すると今作のメインヒロインと言ってもいいぐらいの活躍を見せていたり。

因みに、浅間と吉野だけが前作で頑なに名字でしか呼ばれなかったんですがさらっとその理由が明かされてたりもします。いや、これは盲点でした。ああ、確かにその状況ならこうなりますね(;^^)

それでいて、ドタバタしながらも最後の最後で前作で決着のつかなかった事象を綺麗に決着付けていたり、本当によくできた構成の御華詩でした。マイナーながら『片恋いの月』は本当に隠れた名作だなぁ、と思います。