三浦勇雄・著、屡那・イラスト、MF文庫J。
12月26日(水)読了。
『上等。』シリーズのコンビの新作。今回は装いもガラッと変わって剣と魔法のファンタジー世界。
没落貴族の末裔の新米騎士、セシリー・キャンベル。初の実践で代々伝わる剣が折れ、命の危機に陥った際に自らを救った男が持っていた見かけない剣。鍛冶屋だというその男の剣に魅せられ彼女はその男、ルーク・エインズワースの元に新たな剣を求めて足繁く通うようになる……

とまぁ、こんな感じの導入ですが、世界は変われど根っこは同じというか、セシリーの根っこに鉄平のノリが宿ってます。いやぁ、いいですねぇ。限界を知った上で出来る限りを尽くすってのは大切なことです。あと、自らの体の一部を捧げて悪魔を召喚する『悪魔契約』と大気中の霊体と呼ばれるモノに干渉して力を行使する『祈祷契約』という魔法的な概念も面白い。多分、根本的なこの両者のあり方の違いと根っこが今後絡んできそうかなぁ、とか思ったり。そして、ルークの使う呪文が可成りツボ。いいなぁ、こういう和風な呪文。『とある魔術の禁書目録』の土御門とか。タイトルにあるとおり、刀鍛冶がモチーフになってるんですがその辺りが効果的です。うん、このシリーズも期待できそうです。

……ただ、惜しむらくは槍ヶ岳とか大目玉とか越後屋とか見たいな女性キャラが居ないこと。め、眼鏡分が……

とまぁ、そんなところで次は『地を駆ける虹』です。