西尾維新・著、講談社。
8月12日(木)読了。

優秀な学生だからといいところに就職出来るとは限らない。
窓居証子は、就職先の選り好みの末に家族にも譲歩せず、進退窮まっていた。
そうして泣きついた祖母から、就職活動を続けるチャンスを得る。
それは、多忙な推理作家である叔父の雑用の手伝いを代償に、半年の期限付きで世話になることだった。
大金持ちの叔父の側に居ると就職に対する危機感を失うという危機感を持ちつつ、エントリーシートを書く日々を送る証子だったが、ある日、叔父の知人である根深陽義と出会ったことで一つの事件に巻き込まれることとなる……

就職難やらネカフェ難民やらの時事ネタを交えたミステリのようなそうでないような、そんな探偵小説。ミステリとしては定番とも言える道具立てをここまでいじり倒すのも一興ですな。ネタバレるので、内容には触れませんが、ミステリの虚構と現実の対立項のようなモノが描かれる、そんな御華詩でした。うん、こういうのも楽しいですな。

てなところで次は『ともだち同盟』です。

難民探偵 (100周年書き下ろし)

西尾 維新
出版社:講談社
発売日: 2009-12-11